大切な手入れ 油をさす!

注油

 

別の項で、理美容ハサミと錆びのことについて書きました。

ハサミと錆び
理美容ハサミにとって錆びは大敵。
わずかな錆びを放置しただけでも、致命的な劣化に繋がりかねません。

大切な道具を守り、できるだけ永く使っていくためにも、日々の手入れは欠かせないものです。

触点に油を注す

日常的にできる手入れとして、油をハサミの触点にさすことを推奨します。
ホームセンターなどで刃物油が安価に手に入ります。

サラダ油やごま油など、食用油の使用はお控えください。
ミシンオイルや金属楽器用のオイルでも十分に機能します。
たくさん使う方はミシンオイルをまとめて買って小分けにするといいかもしれません。
クレ556という資材もありますが、ハサミには不向きです。非常に優れた資材ですが、乾いた後のベタつきが残り、ゴミや塵がひっついてしまいます。

油を注す目的は

・防錆
・開閉をスムーズにする
・開閉による摩耗を抑える

です。適量の油で手入れをすることで、防錆効果はもちろん、ハサミの開閉を軽くして疲労を軽減し、開閉による偏った金属の摩耗を防ぐことにも繋がります。
ハサミの触点部分は空気に触れにくく、水分が溜まりやすい場所です。
この部分に油をほんの少し注します。油の量が多いとベタつくので、余分な油滴を拭います。

もし、長く使わないハサミの場合は、触点だけでなく、刃の表裏にも油を塗って拭い、保存しておくとよいです。

当店では、お預かりしたハサミの研磨作業の最後に、専用の刃物油を注油するサービスを行っております。
ハサミを解体した際に、日頃閉ざされているネジやネジ穴付近にまで手を入れることができますので、その近辺の手入れもさせていただいております。