Q&A

よくある質問をまとめました。
ほかにご質問やご要望がありましたら、メールまたはお問い合わせフォームからご連絡ください。

 

取引について

代金の支払いはどうすればいいですか?

現在、日本郵便の代金引換で統一しております。
当店の返送料は、代引き手数料その他の返送に関わる価格が含まれた額です。
よって、代引きを使うと高額になってしまうということはありません。

現在のところ、時間指定は承っておりません。
ご不在の場合は不在連絡票が投函されるので、再配達してもらうことが可能です。

左利き用も同じ価格ですか?

カットシザー・セニングシザーともに、全て右利き用と同じ価格で承っております。

トリミング用ハサミは研いでもらえますか?

トリミング用ハサミも歓迎です。同額で受け付けております。
トリミング向けの仕上げになります。

カーブシザーは依頼できますか?

カーブシザーもカットシザーと同額で受け付けております。

カラーコーティングされたハサミは研げますか?

研ぐことが可能です。料金も変わりありません。

研げないメーカーはありますか?

国内すべてのメーカーに対応しております。ナルト、ハイネッタ等も同額です。

依頼することができないハサミはどのような状態の物ですか?

・分解することができないハサミ…ネジが固着しきっていたり、もともとそういう作りだったりする場合です。分解することができなければ完全に研ぐことはできません。分解できないハサミでもお受けすることはできますが、保証外となります。
・強度の錆が発生しているハサミ…多少のサビつきであればなんとかなりますが、錆の状態によってはお断りさせていただく場合があります。錆が酷いと、反りを調整する際に折れることが多いからです。現環境で使用されているシザーのほとんどがステンレス製なので、重度の錆つきはあまりないとは思いますが、気になる方は事前にお問い合わせください。

どのくらいのサビなら研げますか?

表面にぷつぷつと付いているサビなら問題ありません。

黒いサビが少しだけなら大丈夫ですが、色濃く広範にサビ付いていると奥まで浸透しているかもしれません。
赤茶色のサビは薄ければすぐに取れますが、こちらもガッツリ付いていると奥まで浸透しているかもしれません。
赤茶色のサビは取りやすいですが少し厄介なので、もし見つけたら擦って落としてあげてください。

刃のラインにサビが付いていると難儀します。場合によっては回復できないかもしれません。
このあたりはやってみないと分からない場合が多いです。

サビた古いハサミを送ってくださる方もいらっしゃいます。状態をみてサビも落とします。当方の判断で必要なサビ取りを行います。
全部完璧に落とそうとすると、ハサミの肉が無くなったり、削るべきではないところを削ることになったりするので、必要と考えられる部分を磨きます。

ハサミはどのように梱包すればいいですか?

緩衝材や新聞紙などで保護して郵送してください。
特に注意が必要なのは、輸送中にハサミが開いてしまうことがないようにすることです。
美容ハサミ自体は外圧に対して堅牢ですが、少しでも開いた状態の時に衝撃が入ると刃に大きなダメージを受けてしまいます。

こちらにハサミを送っていただく際は、レターパックを推奨しています。
ソフトケースにシザーを入れてお送りいただくことも可能です。

レターパックは郵便局やお近くのコンビニエンスストアでお求めいただけます。
詳しくはこちら ハサミの発送方法について

後から追加料金が発生することはありますか?

お預かりしたハサミは、必ず状態を点検したのちに作業に移ります。
追加料金が発生するような作業が必要な場合は、必ず事前にご提案させていただきますので、ご安心ください。

当店では、ハサミを床に落としてしまって刃欠けしているような状態も、ほとんどが通常料金になります。

研ぎの依頼フォームからメッセージをしましたが返事がきません。

フォームを送信すると自動返信メールが送られます。
このメールが届かない場合は、こちらからの返信が迷惑メールとして処理されているなどの理由が考えられます。
info@i-hasami.comを受信できるように設定してください。
キャリアメールだとメールが排除されやすいようです。Gmailなどがおすすめです。
フォームやメールなどによる事前連絡手段は、ハサミの受け取りとメンテナンス、その後の返却までを円滑に進める目的で設けてあるシステムなので、必須ではありません。事前連絡無く「研ぎ依頼」と書いたメモを同封して送っていただいても、通常通りにメンテナンスして返却します。
心配な方は当方に電話してみてください。

 

日々の運用について

ハサミを落として欠けました。どうしたらいい?

使用を停止して研ぎに出してください。
欠けていることが影響して裏刃が急速に傷みますので、そのまま使い続けるのは非推奨です。

ハサミが開いた状態で落とすと高確率で欠けます。刃が欠けていなくても、構造が歪むことがあります。
ハンドルの向きが変わって閉じ切らなくなったり、反り(そり)の調子が変わって髪の毛を掴むようになったり、まったく切れなくなったり、といった具合です。
悩んだら相談してください。

どのくらいのペースで研ぎに出すといいですか?

ざっくり述べますと三か月程度です。
使用者の使い方や特性、手入れの仕方によって千差満別です。
例えば、ドライカットのみで使用するシザーと、ウェットカットのみで使用するシザーとでは、当然後者が長持ちします。
トリミングでしっかり使っていくハサミだと、もっと早く研ぎたくなるかもしれません。
また、使用後にセーム革できちんと反り刃を拭いていれば長く切れ味を保つことになります。

おおむね、メインのハサミを2~3か月程使用すると、ハサミの裏刃は傷だらけになっていきます。
切れていると思っていても、髪の毛を傷めたり枝毛を作ったりする原因となります。

究極的には、道具の使用者がその道具のはたらきに満足しているかどうかが左右します。
ハサミが切れなくなってきたとき、感性が高い技術者ほど、メンテナンスへの要求性が高まります。

ハサミの機能は、カット後の毛髪の状態や、技術者の成果に直接影響を及ぼします。

ご自身の手で道具の状態を感じ取り、研ぎと調整に出すタイミングを見極めてください。

 

ハサミのネジは自分で調整しても大丈夫ですか?

使っていると摩耗に応じて開閉は変化しますので、使用者自身で常に最適な締め具合に調整できるのが理想です。
特に研ぎ上がり直後は開閉の変化が速いので、適宜調整してください。
締めすぎると開閉が重いために手に負担がかかる上、刃同士が喧嘩してしまいます。一方、緩すぎれば偏摩耗やパクり、刃欠けの原因となります。
カットシザーの締め具合の大まかな目安として、刃を開いてハンドルから指を抜き、片方の刃を自重でストンと閉じさせたときに、2分目~5分目ほど刃が開いた状態で止まるくらいの締め具合が最適です。
セニングの場合は、カットシザーより少し強めに締める方が適切です。
本当はクシ刃はできるだけキツくして使った方がいいのですが、開閉が重くならない程度に調整してください。

日々の手入れは何をすればいいですか?

●カット後、セーム革で乾拭きする
ゴミやかえりを落とします。使う度に全部拭いていくのは難しいので、どこかのタイミングで拭いてあげてください。

●使用した日の終わりに、洗って付着物を落とし、セーム革や布で水分を拭きとる
サビを防ぐなら一番重要な手入れです。
ゴミがくっついて取りきれないなら、刃の部分だけシャンプーやせっけんをつけて洗い流してもいいです。
ネジ部分には水が入らないようにした方がよいです。
水場からすぐにお湯が出るならお湯で。刃物を温湯で洗うのは、水気を飛ばしやすくするためです。
洗ったら必ず水分を拭きとります。水分を拭くだけならティッシュでも大丈夫です。

●触点に注油する
ハサミを開いた状態のときに覗き見える、ネジとハンドルの間のハサミ内側部分に注油してあげてください。
特に摩擦が起きる場所です。開閉は楽になると思います。

●適宜、ネジの調整
使っていると開閉感は変わってきます。ご自身の感覚で、その都度調整するのが望ましいです。
軽くすると手が楽ですが、対の刃が通常よりも強い角度で交差して傷みます。
セニングは特にこのダメージが大きいのでキツめにしてあげてください。
ネジ回しが必要な方は研ぎの際にお申し付けを。

●その他:長期保管
よく洗ってよく拭いてから保管します。保管場所はジメジメしている所でなければよく、特別乾いた空間に保管する必要はありません。
保管が長期間で、特に夏をまたぐときは、革系のケースから出して保管してください。

油はどんなものを使えばいいですか?毎日使うべきですか?

ホームセンターで売っている刃物油を探して見てください。
ミシンオイルでもOKです。
金属楽器用のオイルは非常に良質ですが、少し手に入りにくいかもしれません。
サラダ油やごま油など、食用の油のご使用はお控えください。
クレ556などは優れた資材ですが、ハサミには推奨できません。乾くとベタつき、塵を集めてしまいます。

注油する際は触点に注油します。触点部分で摩擦が起きるからです。

毎日注油しなくても大丈夫です。
最近作られた理美容ハサミはほぼステンレスですので、油が切れても簡単に錆びることはありません。
水気とゴミを拭き取ることの方が、どちらかというと重要です。

ネジを限界まで締めても開閉感が緩いままです

ハサミは徐々に薄くなっていくので、ネジで締まりきらなくなる事があります。

ハサミの開閉が緩いまま使い続けると、交差角が大きく生じて偏った摩耗を引き起こします。

ネジ周りを調整することで解決します。当店にて研ぎでお預かりしたハサミは、適宜調整を行い解決します。

急におかしくなった!(急に切れなくなった/刃が閉じなくなった)

特に落としたわけではないのに、どこかが狂ってしまった場合、どのような可能性があるかを考えてみましょう。

・ブレードとハンドルが一体でないようなタイプのハサミである場合

通常の大きなネジとは別に、ブレードとハンドルを固定している小さなネジがハサミの内側に見えると思います。
このネジが緩むと、正しく固定されなくなり、かみ合わせがおかしくなる場合があります。
この小さなネジはご自分で締め直すことができます(小さいドライバーを使います)。

・ハサミの切先付近がわずかに閉じ切らなくなった場合

ひょっとすると、ヒットポイントが本来の位置から外に出てきてしまっているのかもしれません。
ゴムタイプのヒットポイントで、頻繁に外に出てきてしまう場合は、市販のアロンアルファなどを少しつけて押し込んであげてください(接着剤があふれたときは、ティッシュで拭いてください)。永久に取れなくなって困ることはありません。

ハサミについて

メーカーさんやディーラーさんの研ぎは安心ですか?

メーカー様またはディーラー様によってどのような研ぎを誰に任せて行っているかは異なるので、もちろん十把一絡げにはできないことが前提となりますが、全体的な傾向として以下のようなことが考えられます。

・返却されるまでの期間が長い(数週間などの単位もあり得る)
・誰が研いでいるかはわからない
・結果がまばらになることが多い
・個別の要望に対応しにくい

そういった特性もあります。ただし、メーカーに関しては、自社製品をよく知っている技術者が適正な研ぎ代でメンテを行っているような場合が全くないわけではありません。むしろ、ハサミを購入する際にメンテナンスを含むアフターフォローをハサミ選びの判断材料にするのも、一つの選び方であると考えます。
大切な道具であれば、直接要望の言える職人に任せてみませんか。

安いハサミを買ったのですが、新品の状態で切れません。研ぐとなおりますか?

家庭向けに作成されている物だと難しいです。
プロ向けとしてある物であっても、数千円から買えるレベルの物がショッピングサイトにあったりします。
作りはそこそこ良いけども、仕上げが雑で切れない場合→研ぐといい感じになるかもしれません。
鋼材が柔らかいなど、素材や構造の問題で切れない→研いでも良くなる確率は低いです。
総合的に観ると、期待値は低いと考えます。

「反り(そり)」とは何?反りの「調整」って何ですか?

理美容シザーは刃元から切っ先にかけて微妙に反っています。
ハサミを閉ざした状態で、刃と刃の間を光にかざして見てみると、わずかに隙間が空いているのが確認できると思います。
この湾曲が「反り(そり)」と呼ばれる要素です。
「反り」は、刃と刃の接触を小さくしつつ切る力を先端に向かって集約する効果があります。

また、二枚の刃のそれぞれが刃元から切っ先にかけてプロペラの羽ようにねじれた構造をしています。
これが「ひねり」です。
「ひねり」は二枚の刃の接触面積を小さくして切断力を高めるとともに、「反り」による力の作用を高めます。

「反り」はハサミを使い続けるうちに弱くなり、まっすぐの状態に戻ろうとします。
また、使用中の条件によって反りの具合は歪み、最適なカーブが崩れていきます。
せっかくの高品質シザーも、反りを失ったら実力が激減してしまいます。それを正すのが「調整」です。
調整を一切行わない研ぎ師も多いようですが、ハサミの実力を最大限に取り戻すならば、「研ぎ」と「調整」は一体の工程であり、切り離すことはできません。当工房のメンテナンスは、刃の研ぎに加えて反り調整も含めたものです。いずれもメンテナンス料金内で行います。

当方では、研ぎを依頼されたシザーそれぞれの最適な「反り」を見極め、1丁1丁修正を加えています。
この微細な調整によってハサミ本来の構造を取り戻し、“最適な切れが長持ちする”状態を実現します。

左利き用ハサミはなぜ高いのですか?

左利きに関するご質問をよくいただくので、多くのレフティの方がハサミの運用で悩まれているのではないかと考えます。
一般的な研ぎ屋で左利き用ハサミの研ぎが高めに設定されているのは、構造の向きが異なることによって難易度が高まることが理由と考えられます。
左利き用ハサミの製造面では、研ぎと同様に構造の向きが異なることによって難易度が高まるため(加工の方向が反対になります)というのもありますが、それに加えて生産数が右利き用に比べ極めて少数であるためという理由もあります。
左右同額で研ぎを受け付けている所もあると思いますが、総合的に観るとやはりレフティは道具の面で制限されやすく、幾分か不利になってしまっているのがハサミの世界の現状です。もし、これから学校に通いながらハサミを使って勉強するというレフティの方でしたら、敢えて右手でハサミを使えるように慣らすという選択肢もあるかもしれません。その場合、器用な左手で毛髪を手に取って自在に誘導できるという利点があります。右利きの方が左手で髪を取るよりも立体的な掴み方が可能になるでしょう。
当店では、左利きでお悩みの方でもご利用しやすいよう、メンテナンスを同額に設定しております。