重篤な症状への打開策
修理が困難なハサミは結構多く存在します。どうにもならないこともありますが、可能な限り、重症のハサミと向かい合うのも責務であると考えています。皆さんが悩んだり、ショックを受けたりした事態の解決に、私も力を尽くしたいと思います。
直せるかどうかの判断は、モノを見て、触ってみないとわかりません。
ご自分で研いで使いにくくなってしまったという方
どのような加工をしたかを、できるだけお知らせください。情報が多いと成功率は高まります。手動で加工しただけであれば、こちらで直せることが多いです。諦めずに行きましょう。
研ぎ業者に研いでもらって破損した場合
業者がハサミを機能不全に至らしめることはしばしばあります。状況的に仕方なかった場合や、ごく稀な不運による場合を除くと、「そもそもハサミや素材を理解しないまま預かって加工を施し、収拾がつかなくなった」というパターンが多数です。機械力による加工を行っている可能性もあるので、取り返しがつかないことが多いです。当方は有効な回復計画を立てて修理を試みますが、後遺症のようなものが残ったり、サイズが小さくなることを許容せざるをえなかったりと、代償が発生することもあります。最善を尽くします。
諦めるべきパターン・諦めないパターン
ときにどうにもならないものが存在するのも事実です。根本的に古すぎるもの、もともとが安価な素材のもの、不良品、海外製で粗悪なもの。これらは成功率が低くなります。
錆が多いもの、これもよくないです。叩いて調整する選択肢を削がれるからです。
ユーザーの最大利益を尊重します。「このハサミにはこれ以上コストをかけずに諦めて、新しいハサミを購入するために資金を使うべきだ」という提案をすることもあります。